マグネット広告の名入れ印刷について

マグネットグッズの素材にはABS樹脂等のプラスチック成型品、PVC(ポリ塩化ビニール)等のウエルダー成形品、薄いゴム磁石の表に印刷物を貼り金型で抜くマグネットシートが代表的です。それらのマグネット商品にオリジナルの広告原稿を名入れ印刷するため、どんな印刷方法があるかここでご紹介します。

シルクスクリーン印刷
シルクスクリーン印刷

適用商品:マグネット商品全般

プラスチック成型品の表面に直接印刷する方法として最も代表的な印刷方法です。
詳しくはウィキペディア(シルクスクリーン)をご覧ください。

インクに耐水性・耐久性があり、立体物に安価で印刷できる方法として最も普及しています。但し、シルクスクリーンにはサイズや製版の精度にバリエーションがあります。特に小物に使用するシルクスクリーンの設備では、コスト優先のため印刷原稿の再現性に制限があり、注意が必要です。

メリット
たいていの立体物に印刷可能である。単色なら小ロットでも安価でスピーディに印刷できる。特徴は印刷後に表面加工しなくても、耐水性があり、耐久性もある。インクで色を表現するため、混ぜ合わせて調色すれば無限の色を表現できます。印刷したインクに厚みがあり、下地色の影響が他の印刷方法と比べれば少なく、樹脂色を選ばない。金・銀刷りや蓄光インクなど特殊インクを使える。

プラスチック小物にシルクスクリーンをするためのご注意点
シルクスクリーン専用版が必要で、多色印刷になれば1色ごとに版が必要になり特に小ロットではコストアップにつながる。 色は無限に表現できますが、基本色以外の色を表現しようとすると、オフセットインクのような配合表はなく、特色指定は印刷用のDICチップや印刷物現物での色指定が必須になります。それを職人が確認しながらインクを混合する調色作業になるため、仕上がりには多少の色の誤差が出てきます。特に小物の印刷では、製版時に網点加工が不可の為、色の濃淡を1色で表現できない(多色では表現できます)。同じく異なる2色の掛け合わせで色を表現(青と黄を掛け合わせて緑)することや、単色のグラデーションも表現できません。特に0.2mm以下の細い線や抜き部分には、インク潰れや版の目詰まりによる印刷欠けが発生いたします。同じポイントの文字でもひらがなでは問題が出ないが、画数の多い漢字にインク潰れが出てくる。また多いのは、明朝体は太い書体を選択しても、最も細い部分は細明朝のままなので、印刷欠けが発生する。面積の大きいベタ印刷では、インクのムラやピンホールが出る場合があります。

インクジェット印刷(合成紙等のメディア出力)
インクジェット印刷(合成紙等のメディア出力)

適用商品:マグネットシート

弊社では主にマグネットシートで使用しています。小ロットでも安価にカラー印刷が実現できるため小物印刷でも近年増加傾向にあります。手軽な印刷方法ですが、原稿により得意・不得意があり注意が必要です。弊社は水性顔料インクのCANON製業務用機器を採用しております。それにPET合成紙の組み合わせで、耐候性も一段とアップさせています。

メリット
製版が不要で、小ロットでも安価にカラー印刷が実現できる。メディアを適切に選べば、水性インクでも耐水性がある。表面をラミネートすれば、耐久性が増し、特にUVカットのラミネートとの組み合わせでは、オフセットUV印刷以上の耐候性を発揮する。

インクジェット出力のご注意点
印刷精度はインクジェットプリンターの普通紙出力と同等です。データを入稿する前に必ずお手元のプリンターで出力することをお勧 めします。微細な文字や細い線は印刷時に出力されない場合があります。また、細い線のベタ抜きは、滲んで潰れる場合があります。ベタ印刷の上に黒ノセすると、にじみやすくなります。黒を若干薄くすることで、回避できることもあります。(K95%⇒K90%⇒K85%と薄くすればするほどにじみにくくなります)弊社の標準仕様では、M=100%・Y=100%の赤でも多少黄味がかります。鮮やかな赤は出力できません。

浸透型インクジェット(立体成型の樹脂に直接印刷)
浸透型インクジェット(立体成型の樹脂に直接印刷)

適用商品:LED非常等マグネット楕円、LEDマグネット楕円、フラットマグネット名刺サイズ、フラットマグネット ダブル、マグネットクリップ四角型、マグネットクリップ丸型、ビッグマグネット(丸)1P

立体のプラスチック成型品に直接カラー印刷できる印刷方法です。基本のメカニズムはメディア出力形式のインクジェット機と変わりません。弊社では安価でカラー広告を自社商品に直刷り印刷するために、ソフトソルベントインクを使用したインクジェット小型機を導入しております。

メリット
製版が不要なため、小ロットでも、格安の価格で立体プラスチック成型品にカラー印刷が直接できる。小ロット・短納期のご要望に答えやすい。商品の端まで印刷できるので、印刷範囲が大きくなる。紙のインクジェット出力と遜色のないカラー印刷が実現できる。

浸透型インクジェット出力のご注意点
商品の素材によりインクの乗りがかなり変わる。シビアに表面の素材を選びます。当サイトの「カラー印刷」コーナーに掲載の商品以外は、印刷対応できない。特に表面がPVCの商品はインクが若干乗りにくい。(LEDマグネット等は指で強く擦ると、指にインクが移る程、インク落ちがあります)2mm以上の高低差が出てくると印刷精度が落ちるため、曲面印刷には限界があります。プラスチックの平らな面でも、肉眼では分からないわずかな凹凸により、見る角度を変えることによって部分的にかすんだように見えることがある。マグネット商品のホワイト色も商品により若干黄味がかったものもあり、その影響で全体的に色が変わったように見えることがある。

UV型インクジェット(立体成型の樹脂に直接印刷)
UV型インクジェット(立体成型の樹脂に直接印刷)

適用商品:マグネット商品全般

立体のプラスチック成型品に直接カラー印刷できる印刷方法です。数年前までは、機器代がとても高価だったため、印刷代もコストが非常に高く、採用されることはごく稀でした。最近は機器の販売価格が下落し、印刷コストも徐々に安くなり、採用されることが多くなってきましたが、浸透型インクジェットと比べると、まだまだコストが高い印刷方法です。機器の性能も向上し、メディア出力と遜色ない程に印刷再現性も高くなってきています。一般的にA3サイズの小型機が普及していますが、A2サイズ中型機になると中量ロット数も対応できるようになりました。

メリット
表面加工無しでも、インクの耐久性が高い。商品の端まで印刷できるので、印刷範囲が大きくなる。紙のインクジェット出力と遜色のないカラー印刷が実現できる。下地に白地印刷も同時に出力でき、樹脂色が白以外でも印刷できる。UVの速乾性インクなので滲みが少ない。

UV型インクジェット出力のご注意点
小ロットではまだまだコストが割高になる。
2mm以上の高低差が出てくると印刷精度が落ちるため、曲面印刷には限界があります。地色のある商品に白地を印刷しても、印刷色に若干樹脂色の影響は出ます。プラスチックの平らな面でも、肉眼では分からないわずかな凹凸により、見る角度を変えることによって部分的にかすんだように見えることがある。樹脂素材により下地剤が必要になり、その影響で、色味が若干変わることがあります。マグネット商品のホワイト色も商品により若干黄味がかったものもあり、その影響で全体的に色が変わったように見えることがある。

オフセット印刷(紙に印刷)
オフセット印刷(紙に印刷)

適用商品:マグクリップ80、マグクリップ120、リバーシブルマグバー、スーパーマグバー丸タイプ、マグネットシート

一般のカラーのチラシや商品カタログと同じ印刷方法です。弊社ではCTP(版レスオフセット印刷)の普及により、ほとんどがカラー印刷になっています。最近では、カラー印刷よりも特色1色の印刷の方がコストはかなり高くなります。

メリット
オフセット印刷は、もともと大量印刷すれば安価になるが、CTPでは場合により小ロットでもインクジェットよりも安価な場合がある。印刷再現性が良く、細かな印刷原稿でも滲みや欠けが発生しにくく、仕上がりの見た目もシャープである。

オフセット印刷のご注意点
長時間日光が当たると退色します。屋外使用はできません。
耐水性はありませんので、水のあたる場所での使用はできません。表面PPラミネートしていれば水のしぶき程度であれば大丈夫です。

オフセット印刷(透明塩ビシートに印刷)
オフセット印刷(透明塩ビシートに印刷)

適用商品:非常灯マグネット(LED)、LED非常灯マグネット楕円、LEDマグネット楕円

主にウエルダー(高周波溶着)加工をしている商品で、別注中国製造のカラー印刷時に使用しています。基本的には紙への印刷と変わりはないですが、透明塩ビシートの裏刷り印刷し白印刷で押さえます。そのことにより紙印刷よりも色の再現性や印刷精度は若干
悪くなります。

メリット
ウエルダー(高周波溶着)加工商品でカラー印刷が実現できる。自由なカラー成形物が製造可能になる。塩ビシートの裏刷りなので、印刷面のこすれキズ等を心配することなくラミネート加工と同じ効果がある。

オフセット印刷のご注意点
オフセット印刷の細密な原稿の再現性は良いですが、印刷メディアが塩ビシートなので、アート紙に印刷するようなシビアな色合わせはできない。印刷面をウエルダー(高周波溶着)加工すると、溶着部分のインクが落ちて透明になり、下地の色が出てくる。

他に、曲面印刷に強いパッド印刷や光沢が出る箔押し印刷、フィルム印刷に使われるグラビア印刷、立体物に印刷できる転写印刷などがあります。

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